建設業経営で本当に達成すべき数字は「売上目標」ではなく「必要粗利額」

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前回の記事では、

「なぜ社長のExcelと決算書は食い違うのか」

についてお話ししました。

多くの建設業経営者は、決して数字を見ていないわけではありません。

むしろ、

売上予定
入金予定
支払予定
工事ごとの利益

など、自分なりに一生懸命管理されています。

しかし、決算書との違いを理解しないまま、毎年同じ違和感を抱えている会社も少なくありません。

では、その違いを理解したうえで、経営者は何を目標に管理すべきなのでしょうか。

私は、その答えが「必要粗利額」だと考えています。

多くの会社は売上から考えている

経営計画を作る時、多くの会社ではまず売上目標を決めます。

「今年は売上2億円を目指そう」

「前年比10%アップを目標にしよう」

もちろん売上は重要です。

しかし、売上だけを達成しても会社が良くなるとは限りません。

なぜなら会社に残る利益の源泉は売上ではなく、粗利だからです。

逆算すべきは必要な粗利

本来考える順番は逆です。

まず考えるべきは、

会社を維持するために必要な固定費はいくらか。

将来の投資資金はいくら必要か。

借入返済を続けるためには、どれだけ利益が必要か。

そのために必要な粗利はいくらか。

ここから逆算する必要があります。

例えば、

年間固定費 4,000万円

必要利益 1,000万円

だとすれば、

最低限必要な粗利額は5,000万円になります。

つまり、この会社にとって本当に達成すべき数字は、

「売上○億円」

ではなく、

「粗利5,000万円」

なのです。

粗利目標が決まると経営判断が変わる

必要粗利額が分かると、経営判断が変わります。

単純に売上を増やすのではなく、

この工事はいくら粗利を生むのか。

この受注条件で会社は維持できるのか。

今月時点で年間目標に対して遅れていないか。

こういう判断ができるようになります。

これが粗利経営の出発点です。

金融機関への説明力にもつながる

そして、この考え方は資金調達にも関係します。

金融機関が安心する会社とは、単に売上が大きい会社ではありません。

自社の数字を理解し、今後の利益や資金繰りを説明できる会社です。

必要粗利額を把握し、

月次で進捗管理し、

今後の見通しを説明できる。

こうした管理体制を持つことが、金融機関との信頼関係にもつながります。

次回予告

ただし、会社全体の必要粗利額が分かっただけでは十分ではありません。

なぜなら建設業の利益は、会議室ではなく、一つ一つの工事現場から生まれるからです。

年間5,000万円の粗利目標を達成するためには、

一つ一つの工事で予定した粗利を確保する仕組みが必要になります。

次回は、

「会社の粗利目標を工事別管理へ落とし込む方法」

についてお話しします。