■ 実践コラム 『資金繰りに奔走しないために』 …今月資金繰りが苦しくなることは、数か月前から予測可能 です。

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税務顧問で関与している企業様より資金調達の依頼がございま
した。20日頃にお申し出があって「来月10日の支払いが厳
しいようです。」とおっしゃいます。「10日に間に合わせる
のは正直厳しいと思いますが、どのみち必要な資金ですので調
達に動きましょう。」とお返事をして準備に取り掛かりました。

月が変わった頃、金融機関から「融資は大丈夫そうだが、やは
り10日には間に合わない。」との連絡がありました。社長様
にその旨を連絡したところ、「月末の入金が予想以上にありま
して10日は大丈夫のようです。」との返事でした。それは良
かったと胸を撫でおろし、「融資も大丈夫そうですので念のた
め借りておいてくださいね。」とお話しをしました。

それから2か月が経過した頃、またお電話があり、「来月20
日の給料が・・」とおっしゃいます。資金繰り状況がどうなっ
ているのか詳しくお調べするため、同社の営業会議に出席させ
て頂くことになりました。

会議では経理担当者から資金繰りの報告がありました。来月の
給与支払い資金が数百万円不足するという報告です。どうやっ
て調達しようかと議論になっていましたが、資料を見ると来月
の入金予定額が、売上確定分や過去同月入金額と比べて、どう
も少ないように感じます。保守的に作成するのは当然ですが、
保守的過ぎても意味を成しません。確認をしたところ、取締役
のお一人が「○○の売上金が100万円ぐらい入ると思うよ。」
とおっしゃいます。他にも経理に連絡をしていない入金予定が
あり、結局は大丈夫そうだとなりました。

本件に関して経理担当者を責めることは出来ません。与えられ
た情報の中で、保守的に支払いのスケジュールを立てるのは当
然です。しかし、社長様がここ数か月の間、しなくても良い資
金繰りに奔走していた時間と精神的疲労を考えると大きな損失
です。社長様より、これでは業務に専念出来ないため、資金繰
り管理を弊所にお任せしたいとのご依頼がありました。

資金繰りは、「予測出来ないこと」ではありません。例えば、
借入や割賦の返済予定は1年先まで決まっています。固定費の
支払いも自分次第ですから概ね分かるはずです。設備投資や借
入の計画も自分次第です。後は相手次第である売上と、それに
伴って変動する仕入の支払いをどう予測するかだけです。売上
の予測は確かに簡単ではありませんが、売上が伸びた場合、横
ばいの場合、下がった場合など、幾通りもシミュレーションす
ることで、ある程度の予測は可能です。

中長期的(3ヵ月~9ヵ月)な資金繰りを予測する機能は、絶
対に必要です。これがないために、資金調達が遅れて資金繰り
に詰まったり、必要のない余分な心配をしたり…。
もし貴社が、現在、中長期的な資金繰り予測をしていなければ、
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