『金融機関対応・資金調達Q&A(その7)』
Q13:「売上が安定しない。いつも不安がつきまとう。」
Q14:「資金繰りに時間が取られる。いつも気を使っている。」
人生はいつも順調とは限りません。誰もが、様々な事情で、個
人ローンの返済やクレジットカードの支払いが滞ってしまう可
能性があります。本日は、個人の金融事故が法人の資金調達に
与える影響を解説します。
そもそも、個人の信用情報はどのように管理されているのでし
ょうか。金融機関は、個人のお客様への融資状況を信用情報機
関に登録して共有しています。主だった信用情報機関として、
クレジット系の金融機関が情報を登録しているCIC、消費者金
融系の金融機関が情報を登録しているJICC、銀行系の金融機関
が情報を登録している全国銀行個人信用情報センターがありま
す。
日本政策金融公庫を例に挙げますと、借入申込書の裏面に、こ
の3つの機関の利用および登録について承諾を得る欄がありま
す。最近では個人情報の取扱いが厳しくなっていますので、金
融機関が本人の承諾を得ずに信用情報機関に照会をかけること
はありません。書面で承諾を受けた後、照会をかけてネガティ
ブ情報の有無を確認します。
それでは、照会の結果、ネガティブな情報が出た場合の融資審
査への影響を見てみましょう。
【現在も返済が滞っている状況】
未解決の状況ですので、新規融資は見送られる確率が高くなり
ます。
【入金忘れなどでしばしば返済の遅れがある状況】
これだけで断られることはありませんが、業績や財務内容が良
好である等、マイナス面をカバーできるポジティブな材料が必
要です。
【常に1,2か月返済が遅れている状況を最近解消した】
解決はしているものの、解決してからの日数が浅いため、新規
融資は一旦見送られる可能性が高くなります。
【常に1,2か月返済が遅れている状況を数年前に解消した】
解決してから数年が経過していますので、融資審査にあまり影
響なないと思われます。
【全く返済ができない状況が3か月以上続いた後に完済した】
重度の金融事故になりますので、完済してから5年程度は新規
融資が難しくなります。
一般的な事例をご紹介しましたが、もちろん、個々の状況や金
融機関によって対応は変わります。
法人として新規融資を受けたいが、個人信用情報に不安がある
という方はご相談ください。
昭和63年、中央大学商学部卒。
その後、大手ゼネコン勤務等を経て、平成7年、石田雄二税理士事務所開業。
「会計事務所は最も身近な経営スクール」をモットーとし、マネジメントゲームを用いた経営指導は県外にまで及ぶ。
広島県創業サポーター。広島県事業引継ぎ支援センター登録専門家。