『ビジネスモデル俯瞰図の検証!(その2)』 …お客様の属性分析と絞り込み例!

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前回号の続きです。

〔※ビジネスモデル俯瞰図とは、ビジネス全体の構造や流れを
把握し、事業の構造や事業の特徴、損益構造などをわかりやす
く整理した図表のことを指します。〕

事業全体の活性化や事業立地の付加・転換など、事業自体をそ
の本質から見直そうとするときは、ビジネスの全体像を現した
ビジネスモデル俯瞰図を作ってみるとわかりやすいです。
ビジネスモデル俯瞰図を使って、事業の活性化を図りたいとき
の着眼点を整理いたします。

■着眼点2:お客様を細分化して、特定のお客様への個別対応
      を充実させた事例を紹介します。

●例えば、ある家電量販店(大手ではありません)は、過去の
販売履歴から、その過去の購買金額・年齢や自店との距離を定
めて重点顧客を選定し、その顧客には購買金額の過多にかかわ
らず個別無料配達を行っておられます。100円の商品一つで
も無料でお届けするとの意味です。訪問時の付加サービスや御
用聞き機能を充実させることで、高額家電の購入、過度に値引
きを必要としない売上につながっているようです。顧客に対し
て一律に対応するのではなく、その対象を分析・選別して細や
かに対応することで、その売上と利益を伸ばしておられます。

◎ビジネスモデル俯瞰図の中で、お客様へと伸びる矢印に着目
してください。お客様とは…細分化すると多くの属性が生まれ
ます。上記のお店の場合は、大手量販店がひしめくエリアで、
競合各社が自店への集客を試みる中、自店への誘導ではなく、
客先へ足を運ぶ選択を行いました。その仮説を持ったうえで、
お客様の選別を行ったのでしょう。
一方、あるお客様への個別対応を充実させることは、その他の
お客様を対象から除外することになります。漠然とお客様を捉
えるのではなく、(失礼な言い方になりますが)お客様を選別
する、この発想は重要です。

■着眼点3:事業者向けに事務機材を販売する事業会社様の事
      例を紹介します。

●例えば、事業者向けに事務機材を販売する事業会社様は、地
方支店におけるその営業エリアが複数の県にまたがっており、
大変広範囲な営業エリアを設定していました。営業マンの日々
の平均訪問可能件数は2件未満で、遠方の時は1件だったそう
です。
あるタイミングから方針を見直して、その管轄するエリアを面
積で5分の1程度にまで絞り込みました。営業マンの平均訪問
件数は3倍以上に増え、売上・利益とも数倍に伸びています。

◎ビジネスモデル俯瞰図の中で、お客様へと伸びる矢印に着目
してください。お客様とは…細分化すると多くの属性が生まれ
ます。上記の事業会社では、ある意味欲張って、広範で実力を
上回るエリアを設定してしまっていたがために、大変非効率な
状況でした。エリアを適正な水準に是正したことで、営業効率
が飛躍的に改善し、売上・利益とも大きく伸びています。

限られた経営資源を広く分散させてしまうと、その成果も激減
します。【分散症候群】と呼ばれる経営上の疾病です。
【Simple化】絞り込んで、そこに集中的に経営資源を投下して
ください。

ビジネスモデル俯瞰図の中で、お客様へと伸びる矢印に着目し
てください。お客様とは…細分化すると多くの属性が生まれま
す。
ビジネスモデル俯瞰図を分析するときは、ビジネスの流れを示
す一つ一つの流れに着目して確認してください。特に、誰に売
るのか?=顧客の分析は重要です。